じいちゃんの似顔絵

2003年12月1日
先日、じいちゃんに「おれももう長いことないで、遺影を描いてくれや」などと言われ、私の方も「おうよ」なんて言いながら(笑)描きました。
持ち前の丈夫さと気丈さで幾度も危険な状態から回復していたじいちゃんですが、さすがに最近痩せて、妙に気弱です。

今日また電話がかかってきて、どうも「この絵に字を入れてくれ」と言う事らしく。
聞けば、絵を描いた色紙に改めて『祝・米寿』と、私の名前を大きく入れてくれとのことでした。

じいちゃんは幼少時から絵を描いており、絵心と言うものは<私にあれば)多分このじいちゃんから濃くもらったんではないかと思うほど、絵にはこだわりがあるのです。
子供の頃描いたと言う絵を見せてもらったら、確かに上手でした。
水墨画を習い、スケッチブックにアナウンサーなどの似顔絵を描き、見事な書の腕前を持っていたじいちゃんです。
右手が不自由になり、それ以来字すらろくに書かなくなっておりますが、目はまだまだ確かです(笑)。
私の描いた似顔絵に「目を大きく描いてくれただな。おれの目はもう少し小さいわ」だの「髪はもうちょっとあるで足してくれや」だの言います(笑)。
どこでそんなに自分の顔見てるのかと思います…洗面所の鏡くらいしか見ないと思うんですけど。

私も似顔絵など描くのは中学校以来ぐらいでした。
さすがにあの頃よりはマトモに描ける様になりましたが、でも、その絵を見ながら自分で一番感じることは、「あぁ、私ってじいちゃんのこと好きなんだなぁ」って事でした。
そのあたりが一番出てれば、出来はどうあれ『孫が描いた価値』があるんではないだろうかと。
その人のために絵を描くと言うことは、そう言う事なんではないかなと。
そう思いました。

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