ISBN:4042840019 文庫 長島 良三 角川書店 2000/02 ¥760
「名前は知ってるけど内容は知らないなー」とトライ。
内容はミステリー(?)なので、小・中学生の頃ルパンやホームズを呼んだ時の感じに近いかなぁ。
物語や人物に感情移入するんじゃなくて、事実の推移を把握すると言う状態の読み方。
うーん、面白いとか悲しいとかそう言うのは全然ないなぁ。
ミステリーと言うにしても謎解きが完全でもなく、「彼ならやれる」で済まされちゃってるので「どういう手段か詳しく説明しろ〜!」と思う人はいると思う。
謎や怪奇とされた部分についても「え、何そんなオチなの」って感じで、大々的にわーとかギャーとか怖いとかやめてー!とかなかった。
「あ、こう言う話なの」、と。
映像化されたり劇になったりしたから有名になったんだと思うけど、小説自体はそんなに面白くない、と思う。
セリフの言い回しが気になったり、途中で話し手が変わったりするのに戸惑ったりで、字を追っている内に終わった。
設定が特殊すぎて入り込めなかったし。
私の知識と想像力が足りなさ過ぎて、詳細な情景を想像できなかったんだとは思う。
そのお陰で感情移入も出来ず、臨場感が味わえなかったんだろう、とも。
でもなぁー。
純愛…。
純愛…?
う、うーん。
まぁねぇ。
…ううーん????
改めて状況を想像すれば色々な気持ちになるのかもしれないけど、とりあえず私はクリスティーヌは好きじゃないみたいだ。
ラウルのことを好きだったとは言え、「怪人」がそれなりな外見だったらきっと心移りしていたと思う(思えてならない)。
「最高の歌声と音楽の才能をもっている」と心酔し、彼の仮面を取ってしまうまで(好奇心で、自分から、仮面に手を触れるなと怪人に警告されていたのに)うっとりしていたので。
あまりの顔の醜さに全てが冷めた…のだそうだが、その後彼を恐れ、傷ついた彼に拘束されたとは言え醜い醜いと罵り、でも可哀相な人だから見捨てられないのと逡巡している様はなんだかなー。
正直と言えば正直な反応だとは思うけど。
才能に惹かれることと恋することが違うとは言っても、なんか彼女の場合信じられない。
音楽にしろ絵画にしろ、芸術的分野において(他の分野でも、か)優れた才能に惹かれるあまりその人も好きになることは珍しくないと思う。
その才能にあそこまで心酔したにもかかわらず顔が醜すぎたって理由で…。
(まぁ色々想像を絶していたんだろうし、彼女は特に純粋培養だったらしいので無理もないのか)
才能と性格は(理想と)一致しないものだと言うのも道理だから、必ずしも才能に惹かれる=その人を愛する、ではないと思うけど、怪人の曲者っぽい性格の中にも不憫な子を気遣うような愛情らしきものもあったんだよね。
だから凶暴性の強い性格そのものも、むしろ愛するに値するものだったと彼女は感じていたはず…と思うのよ。
でも顔が醜かったって。
なんかその点が非常に、どうなの、と。
「愛する彼女をトップスターにする為に暗躍する、片思いの怪人」と言う内容を聞いたことがあるけど、原作読んだらその印象はとても薄かった。
(映画の怪人はどう見ても普通の顔…)
あらすじ>
天才的な頭脳と類希な音楽の才能をもち、特殊な人生を送った為にあらゆることに通じている者がいた。
彼の性根は無邪気ゆえに残酷であり、生来の醜さから忌み嫌われていた為に孤独だった。
彼はオペラ座の地下に棲み着き、意のままに地上の人々を驚かし操った為に「怪人」と呼ばれ恐れられた(存在を信じない者もいたが)。
「怪人」は、自分を「音楽の天使」と信じて疑わない歌姫クリスティーヌに思いを寄せ、自分も愛されていると錯覚した。
それまで壁越しに歌姫に歌のレッスンをしただけの怪人は彼女の前に姿を見せるが、仮面で隠された彼の「素顔」を見たクリスティーヌはあまりの醜さに彼を恐れるようになった。
怪人は、深い絶望を味わったが彼女を憎めはしなかった。
元々クリスティーヌは幼馴染で爵位を持つラウルと、身分違いではあったが思いあっていた。
怪人の嫉妬を恐れラウルの身を案じて彼を遠ざけようとしたクリスティーヌだが、ラウルは「どの道爵位を持つ限り歌姫と結婚は出来ない」と、全てを捨てて駆け落ちしようと告げる。
クリスティーヌも彼の熱意に打たれるが、その駆け落ち決行の晩彼女主演のオペラ上演中、二人の計画を知った怪人に気づかれ、彼女はさらわれてしまう。
ラウルは「怪人」の素性を詳しく知る「ペルシャ人」の協力を得、怪人の住むオペラ座地下の棲家へ忍び込むが、怪人の罠にはまり死にかける。
クリスティーヌが「生きたまま−決して絶望のあまり自殺したりせずに−怪人の花嫁となる」ことを約束した為、怪人は二人を助けた。
「ペルシャ人」は、彼が歌姫に失恋した絶望のあまりにオペラ座の人々を巻き込んで自殺しようとしたことを察し、かつて彼の命を助けた責任を感じそれを止めに来た者だった。
怪人にとっては、彼は恩人であり、彼をよく知ると言う上では友とも言える存在だったのだ。
「ペルシャ人」が順調に回復した頃、怪人が彼を訪ねてきた。
「クリスティーヌが自分を夫と呼んでくれた、そして可哀相な人と心から哀れんでくれた」と涙を流して語り、それだけで自分は充分なのでラウルと彼女を二人で逃がしたことを明かす。
その満足感だけで彼は、彼女に恋焦がれながら死んでいけると伝え、その日を限りに怪人は姿を消したのだった。
<大雑把にはそんな感じ。
母親にすら醜いと嫌われ、他人から愛情を感じたことのなかった怪人が、最後に「自分は最高に愛した人に思いのかけらだけでももらえた」と涙し、彼女の幸せを願い思い人と共に逃がしてやり、しかも自分はそれでも彼女のことを思い、思い続けるあまりにただ衰弱して死んでいく。
まっすぐな人と言うか究極的に可哀相な人(と言う書かれ方)なのかもしれないけど、純愛という言葉が好きでないせいか、この話が純愛の物語だと言う評を見ると疑問に思ってしまうのです…。
とりあえず、最後まで疑問に残るのは
「クリスティーヌ、結局彼は顔がダメなの?」
と言う点です…。
「名前は知ってるけど内容は知らないなー」とトライ。
内容はミステリー(?)なので、小・中学生の頃ルパンやホームズを呼んだ時の感じに近いかなぁ。
物語や人物に感情移入するんじゃなくて、事実の推移を把握すると言う状態の読み方。
うーん、面白いとか悲しいとかそう言うのは全然ないなぁ。
ミステリーと言うにしても謎解きが完全でもなく、「彼ならやれる」で済まされちゃってるので「どういう手段か詳しく説明しろ〜!」と思う人はいると思う。
謎や怪奇とされた部分についても「え、何そんなオチなの」って感じで、大々的にわーとかギャーとか怖いとかやめてー!とかなかった。
「あ、こう言う話なの」、と。
映像化されたり劇になったりしたから有名になったんだと思うけど、小説自体はそんなに面白くない、と思う。
セリフの言い回しが気になったり、途中で話し手が変わったりするのに戸惑ったりで、字を追っている内に終わった。
設定が特殊すぎて入り込めなかったし。
私の知識と想像力が足りなさ過ぎて、詳細な情景を想像できなかったんだとは思う。
そのお陰で感情移入も出来ず、臨場感が味わえなかったんだろう、とも。
でもなぁー。
純愛…。
純愛…?
う、うーん。
まぁねぇ。
…ううーん????
改めて状況を想像すれば色々な気持ちになるのかもしれないけど、とりあえず私はクリスティーヌは好きじゃないみたいだ。
ラウルのことを好きだったとは言え、「怪人」がそれなりな外見だったらきっと心移りしていたと思う(思えてならない)。
「最高の歌声と音楽の才能をもっている」と心酔し、彼の仮面を取ってしまうまで(好奇心で、自分から、仮面に手を触れるなと怪人に警告されていたのに)うっとりしていたので。
あまりの顔の醜さに全てが冷めた…のだそうだが、その後彼を恐れ、傷ついた彼に拘束されたとは言え醜い醜いと罵り、でも可哀相な人だから見捨てられないのと逡巡している様はなんだかなー。
正直と言えば正直な反応だとは思うけど。
才能に惹かれることと恋することが違うとは言っても、なんか彼女の場合信じられない。
音楽にしろ絵画にしろ、芸術的分野において(他の分野でも、か)優れた才能に惹かれるあまりその人も好きになることは珍しくないと思う。
その才能にあそこまで心酔したにもかかわらず顔が醜すぎたって理由で…。
(まぁ色々想像を絶していたんだろうし、彼女は特に純粋培養だったらしいので無理もないのか)
才能と性格は(理想と)一致しないものだと言うのも道理だから、必ずしも才能に惹かれる=その人を愛する、ではないと思うけど、怪人の曲者っぽい性格の中にも不憫な子を気遣うような愛情らしきものもあったんだよね。
だから凶暴性の強い性格そのものも、むしろ愛するに値するものだったと彼女は感じていたはず…と思うのよ。
でも顔が醜かったって。
なんかその点が非常に、どうなの、と。
「愛する彼女をトップスターにする為に暗躍する、片思いの怪人」と言う内容を聞いたことがあるけど、原作読んだらその印象はとても薄かった。
(映画の怪人はどう見ても普通の顔…)
あらすじ>
天才的な頭脳と類希な音楽の才能をもち、特殊な人生を送った為にあらゆることに通じている者がいた。
彼の性根は無邪気ゆえに残酷であり、生来の醜さから忌み嫌われていた為に孤独だった。
彼はオペラ座の地下に棲み着き、意のままに地上の人々を驚かし操った為に「怪人」と呼ばれ恐れられた(存在を信じない者もいたが)。
「怪人」は、自分を「音楽の天使」と信じて疑わない歌姫クリスティーヌに思いを寄せ、自分も愛されていると錯覚した。
それまで壁越しに歌姫に歌のレッスンをしただけの怪人は彼女の前に姿を見せるが、仮面で隠された彼の「素顔」を見たクリスティーヌはあまりの醜さに彼を恐れるようになった。
怪人は、深い絶望を味わったが彼女を憎めはしなかった。
元々クリスティーヌは幼馴染で爵位を持つラウルと、身分違いではあったが思いあっていた。
怪人の嫉妬を恐れラウルの身を案じて彼を遠ざけようとしたクリスティーヌだが、ラウルは「どの道爵位を持つ限り歌姫と結婚は出来ない」と、全てを捨てて駆け落ちしようと告げる。
クリスティーヌも彼の熱意に打たれるが、その駆け落ち決行の晩彼女主演のオペラ上演中、二人の計画を知った怪人に気づかれ、彼女はさらわれてしまう。
ラウルは「怪人」の素性を詳しく知る「ペルシャ人」の協力を得、怪人の住むオペラ座地下の棲家へ忍び込むが、怪人の罠にはまり死にかける。
クリスティーヌが「生きたまま−決して絶望のあまり自殺したりせずに−怪人の花嫁となる」ことを約束した為、怪人は二人を助けた。
「ペルシャ人」は、彼が歌姫に失恋した絶望のあまりにオペラ座の人々を巻き込んで自殺しようとしたことを察し、かつて彼の命を助けた責任を感じそれを止めに来た者だった。
怪人にとっては、彼は恩人であり、彼をよく知ると言う上では友とも言える存在だったのだ。
「ペルシャ人」が順調に回復した頃、怪人が彼を訪ねてきた。
「クリスティーヌが自分を夫と呼んでくれた、そして可哀相な人と心から哀れんでくれた」と涙を流して語り、それだけで自分は充分なのでラウルと彼女を二人で逃がしたことを明かす。
その満足感だけで彼は、彼女に恋焦がれながら死んでいけると伝え、その日を限りに怪人は姿を消したのだった。
<大雑把にはそんな感じ。
母親にすら醜いと嫌われ、他人から愛情を感じたことのなかった怪人が、最後に「自分は最高に愛した人に思いのかけらだけでももらえた」と涙し、彼女の幸せを願い思い人と共に逃がしてやり、しかも自分はそれでも彼女のことを思い、思い続けるあまりにただ衰弱して死んでいく。
まっすぐな人と言うか究極的に可哀相な人(と言う書かれ方)なのかもしれないけど、純愛という言葉が好きでないせいか、この話が純愛の物語だと言う評を見ると疑問に思ってしまうのです…。
とりあえず、最後まで疑問に残るのは
「クリスティーヌ、結局彼は顔がダメなの?」
と言う点です…。
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