ISBN:4093890560 単行本 小林 よしのり 小学館 2006/03/07 ¥1,050

漫画家小林よしのり氏の、眼病治療の実録漫画。
目がおかしいと思いつつ長らく放っておいて、いざお医者さんに行ってみたら「片目が白内障で片目が緑内障です」と衝撃の診察結果。それを発端に病院を転々とし、悪化の恐怖に怯えながらも手術をした顛末が書かれています。

著者の信奉者ではありませんが、「物書き魂の権化」たる姿勢そのものは尊敬しています。
この本でその思いを更に強めました(転んでもただでは起きないとはこういうことを言うんだなと)。

失明、闘病、しかも実録ですからよく考えると(考えなくても)笑って読める内容ではないんですが、書いた本人が「自分の経験、笑って読んで欲しくて書いた」そうで、(もちろん笑って欲しくてその様に書いてるからでしょうけど)実際つい笑って読んでしまいました。
実際の出来事だけ拾い出すと深刻な問題ばかりですが、考察や時々の感想、内面の描写が面白いのです。
「こんな事しちゃった!」とか「こんなことあるもんなの?!」とか「こんな事話したら恥かなぁ」とか。
もし自分だったら泣いてしまいそうな場面で(こそ?)笑いを取る辺り、さすがにギャグ作家さんだと思います。
(笑いのすぐ近くに不安や苦しみってあるんだなーとは常々思ってるんですけどね)

それでも読後、「体の機能がちゃんと働くってすごい事なんだなぁ」とか「年月と共に体だって力を失くしていくんだよなぁ、使用期限があるんだなぁ」とかしみじみ思いました。
もちろん当事者の「実感」とは程遠いのでしょうが、自分の体にお礼を言いたくなりました。
今まで健康だった分、体調を崩して以来「失くしたもの」にばかり気が行っていたなと反省しました。
(人と比較したって、症状が軽くなるわけじゃないんですけど、ってここが可愛げないね、よくないね)

そう言えば、原哲夫氏も長らく目の病気に悩まされていると夜の特番で見ました。
病について書きだすと何かとアレなので敢えて切り上げますが、「健康」とは本当にありがたいものですね。

※あとがきで小林よしのり氏ご本人が念を押して「眼病の知識に役立てようとは思わないで下さい。あくまで個人の闘病記の漫画化です」と言う内容のことを書かれているように、医学メディアの本ではありません。

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